彼は『溺愛』という鎖に繋いだ彼女を公私ともに囲い込む【episode.2】
なにそれ?政策秘書?議員さんか、なんかですかね?
「まあ、訳わからないかもしれないけど、そこは要するにその役員と営業部の間に立って、秘書にさせることを決める重要なパイプ役。影のエリートと言われる連中のいる場所だ。秘書より秘密が多い」
「そんなすごいところ、しかも、今女性がいないって言いませんでした?」
「だからいいんじゃないか。女子は噂好きだ。あることないことすぐに話す。俊樹にすぐにばれて大目玉だぞ」
「……なるほど」
「俊樹の戻る営業三部の仕事をとりあえずやっている担当者に君を預ける。今営業三部の役員は橋本常務。その下にいる部長以下役職付は俊樹の子飼い。あいつらは君が来るかもしれないと俊樹に言われているらしい。まあ、海外出張の間に君がこちらへ来ることくらい予想済みだろう」
「……そうですよね」