彼は『溺愛』という鎖に繋いだ彼女を公私ともに囲い込む【episode.2】
「入るといっても二週間だけ。少ししかできないでしょうし、ここにいることを営業三部に知られないようやるにはそれが一番です。女性はいませんって言えばいい」
「なるほど……」
「森川さんは、秘書業務だけでなく、実務を俊樹さんに任されていたと聞いていますが違いますか?」
「そうです。どうしてご存じなんですか?」
「少し探りを入れてありました。あなたをうちに二週間預けると急に言われたので、こちらも失礼ながらあなたを調べさせていただきました」
「そうでしたか。俊樹さんは案件の中身について私に下調べさせたり、業務部で培ってきた知識を使って仕事を任されることもありました。正直秘書ではないと思います」
「それは誇っていいことですよ。お仕事ができるということですからね」