彼は『溺愛』という鎖に繋いだ彼女を公私ともに囲い込む【episode.2】
「はい。とにかくそういう新しいことを取り入れてビジネスに繋げるのが三部の特徴なんです。でもそういうところを扱う食品工場を捜したり、卸先を捜すのが大変なんです。それをミツハシでの仕事をやりながら探って道筋をつけているのが俊樹さんご自身です」
マレーシアでハラル対応の食品を工場へ行って確認してくると言っていたが、そういうことだったのね。
氷室商事の取引先があちらにもあるんだろうし、京子さんが言っていた彼のミツハシフードサービスでの役割がようやく見えてきた。
企画室の相模さんが言うには、まだ氷室商事でも内密で勧めていることもあり、俊樹さんは自分で考えて柔軟に動いているはずだと言っていた。
「俊樹さんは、両社に利が出るよう考えて動いているようです。架け橋という言葉がぴったりですね」
「つまり、彼がこちらに戻ってきたらこれを全部新しいプロジェクトとして始めるってことですか?」