彼は『溺愛』という鎖に繋いだ彼女を公私ともに囲い込む【episode.2】

「そうです。そのために彼と綿密に連絡を取り合っているのが営業三部にいる数人の直属部下の人達です。彼らは俊樹さんが大学時代からのお友達で、自ら口説いて入社させたらしいのです」

「お友達……はあ、なるほど……」

「彼らが俊樹さんと協議準備をしておいて、あとは戻った俊樹さんがスイッチを押すだけなんです。専務もすごい人ですけど、なんというか俊樹さんはちょっと違うんです。うちの室長と似たタイプなんです。いつか室長とお会いになるとわかります」

「はあそうですか。まあ、その敏腕室長さんとは今回はお目にかかれなさそうですから、そのうちお会いできるのを楽しみにしております」

 バタンというすごい音を立てて京子さんが入ってきた。

「やっぱりよ、菜摘さん」

「はい?」
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