彼は『溺愛』という鎖に繋いだ彼女を公私ともに囲い込む【episode.2】

「ああ、みんなお疲れ様。海外出張中の俊樹が緊急帰国して、夕方にも顔を出すと営業三部の連中に連絡が来たそうだ。しかし、早かったな。俺はせいぜい頑張っても一日前くらいかと思っていた」

 すると京子さんが笑いながら専務の横で話した。

「まあ……あなただって私が同じことしたら三日くらいは早く帰るって言ってたでしょ?まるきり同じで笑っちゃいました」

「相模、俊樹が来たらとにかく菜摘さんの事を口にしない方がいい。アイツは嫉妬深い。気をつけろよ」

 相模さんがため息をついた。

「わかってます。どうせばれてると思いますけどね」

「まあばれてるだろうな。どこにもいないんだからここしかない」
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