彼は『溺愛』という鎖に繋いだ彼女を公私ともに囲い込む【episode.2】
「俊樹、早かったな。おかえり」
「専務、京子さん。菜摘のこと、どーもたいへんずいぶんとお世話になりました」
「おい、睨むなよ。睨まれるようなことはしてないぞ」
「睨んでません。じっと見ていただけです」
「俊樹さん、さすがですね。成果をあげつつ、三日も早く海外出張からお戻りになるなんて驚きました」
「そうですか、きっと本気になれば兄さんだってできますよ」
「そうだな、俺なら四日前には戻れるだろう。って、痛いな、何するんだよ京子」
京子さんが陽樹専務の腕をつねっている。