彼は『溺愛』という鎖に繋いだ彼女を公私ともに囲い込む【episode.2】
「専務は余計なこと言わなくて結構です」
京子さんが目くばせするので、急いで企画室を出た。
四人で専務の部屋へ入った。私は目の前のふたりに向かって頭を下げた。
「専務、京子さん、色々と本当にありがとうございました。おかげさまで思った以上にいろいろ学べました」
腰かけた二人の兄弟は頭を上げて立っている私を見ている。
「まあ、役に立ててよかったよ。未来の義妹を大切にしているということが分かってもらえて、俺達もやったかいがあった」
京子さんはにっこりと笑っている。
「俊樹さん、コーヒーでいいですか?」