彼は『溺愛』という鎖に繋いだ彼女を公私ともに囲い込む【episode.2】

「専務は余計なこと言わなくて結構です」

 京子さんが目くばせするので、急いで企画室を出た。

 四人で専務の部屋へ入った。私は目の前のふたりに向かって頭を下げた。

「専務、京子さん、色々と本当にありがとうございました。おかげさまで思った以上にいろいろ学べました」

 腰かけた二人の兄弟は頭を上げて立っている私を見ている。

「まあ、役に立ててよかったよ。未来の義妹を大切にしているということが分かってもらえて、俺達もやったかいがあった」

 京子さんはにっこりと笑っている。

「俊樹さん、コーヒーでいいですか?」
< 51 / 101 >

この作品をシェア

pagetop