彼は『溺愛』という鎖に繋いだ彼女を公私ともに囲い込む【episode.2】

彼の本拠地

 彼に連れられて下の営業階に降りるためエレベーターへ向かった。

「菜摘。営業三部へ行く。ここが俺の本拠地だ。だいぶここの取引については学べたんだろ?」

「はい。おそらく、送ってくださったリスト通りに相模さんが順に取引先について教えてくださいました」

「そうか。短い期間だったが身についたのか?」

「そうですね、俊樹さんのミツハシでの仕事とつながっていたということがよくわかりました。そのせいか、知っている会社も多くて助かりました」

「だから心配いらないと言ったのに……まあ菜摘の性格なら把握していないと不安でしかないんだろうな」
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