彼は『溺愛』という鎖に繋いだ彼女を公私ともに囲い込む【episode.2】
彼の姿を見て彼と同じくらいの年の男性社員三人が走って側に来た。
「「「俊樹、おかえり!」」」
「ああ、ただいま。久しぶりだ。みんな元気そうだな」
三人はうなずくと私をじっと見ている。値踏みしている目だ。
「彼女が……俺の秘書で婚約者の森川さんだ。菜摘、左から木崎、椎木、小島だ」
「……は、はじめまして。森川菜摘と申します。どうぞよろしくお願いします」
眼鏡をかけた男性が私に言う。
「彼女がお前の見つけた大切な人か。はじめまして、木崎です。営業三部の部長をしています。俊樹さんの直属の部下になります。プライベートは一応親友です」