彼は『溺愛』という鎖に繋いだ彼女を公私ともに囲い込む【episode.2】

「こいつらは俺の大学の同窓生だ。俺がスカウトして入社してもらった」

 少し太めの男性が言う。

「森川さん、はじめまして。営業三部一課長の椎木です」

「はじめまして。二課長の小島です」

 小島さんはイケメンだ。ついじっと見た。

 小島さんは慣れているんだろう。私に向かってニッコリする。

 うわあ、俳優さんみたい。見とれてしまった。

「……菜摘」

 低い声がする。
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