彼は『溺愛』という鎖に繋いだ彼女を公私ともに囲い込む【episode.2】
「わかるよ。僕らも手を焼いている。自分で把握しなくてもやるっていってるのにね」
「まったくだな」
「うるさいな、帰って早々なんでお前たちにいじられなくちゃならないんだよ」
木崎部長が笑いながら答えた。
「俊樹。海外うまくいったようでよかったな。これで俺たちの仕事も道筋がつく。お前はこちらに戻ったらすぐに結婚式か?」
私たちは目を見合わせた。
「いや。婚約したといってもうちは結納をしないといけないんだが、実はそれもまだだ。しばらくは忙しくてそれどころじゃないだろうな」