彼は『溺愛』という鎖に繋いだ彼女を公私ともに囲い込む【episode.2】

 すると、彼は背伸びをして三人に言った。

「よし。じゃあ、あとは頼むな。俺達は帰る」

「なんだよ、せっかくだからこの後みんなでと思ったのに……帰るのか?」

 椎木さんがお酒を飲むジェスチャーをして見せた。

「さすがの俺も疲れた。早く帰るためにここ数日どれだけ寝てないか……飛行機でも結局仕事していたんだぞ」

「お疲れさまでした」

 私は彼に言った。するとこちらをちろっと見た彼は頭をポンポンとたたいた。
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