彼は『溺愛』という鎖に繋いだ彼女を公私ともに囲い込む【episode.2】

 先ほどまでの怒りのオーラが消えている?

 私のほうを振り向いた。

「行こうか、婚約者殿」

 彼が手を出してきた。恐る恐る手を出すとぐんと彼のほうへ引っ張られた。

 胸にぶつかった。彼が私の耳元でささやく。

「たっぷりお仕置きだぞ。楽しみにしてろ」

「……え?」

 嬉しそうに鼻歌を唄いながら、タクシーを止めると私を押し込んだ。マンションへまっしぐらに向かう。
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