彼は『溺愛』という鎖に繋いだ彼女を公私ともに囲い込む【episode.2】

 部屋に入るとリビングやダイニングテーブルの上を見て彼は驚いている。

 それはそうだろう。予測していなかったであろう彼の顔を見て私は嬉しかった。

「これ……もしかして菜摘。お前、食事準備してあったのか?」

 私は彼が今日帰るかもしれないと昨日京子さんに聞いた。だから彼の好物を作って準備していた。

 キッチンにはその準備の後がある。リビングも彼が帰ってきて過ごしやすいように整えてあるし、彼の好きなお酒もそろえておいた。

 ダイニングテーブルの上はすでにカトラリーがセッティング済み。あとは料理を出すだけになっていた。
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