彼は『溺愛』という鎖に繋いだ彼女を公私ともに囲い込む【episode.2】
「だってなんだ?そんな目をしてもだめだ。大体お仕置きなのにおかしいぞ……菜摘が俺を欲しがってるのもわかってる。全部お見通しなんだよ」
意地悪な目をして私の頬を撫でる。
「あ、だって……あん」
口づけが降ってきた。もうだめだ。理性が快感に負ける。だって、好きな人が愛してくれている。本当は全部受け止めたい。
「ん……ん……ん……」
はじまった。どう猛な獣のような彼。全力で手加減なし。付き合いだしたあのころのような彼だった。
彼は日付が変わったころになって、ようやく私の料理を満足げに食べた。私は食べる気力がなかった。
翌朝。初めて不埒な理由で出社できなかった。足が立たなかった。恥ずかしすぎる。