彼は『溺愛』という鎖に繋いだ彼女を公私ともに囲い込む【episode.2】
急にお腹が痛くなったので、リモートにさせてほしいと、学生みたいな言い訳で京子さんに頼んでしまった。
『予想通り大変だったんでしょう、お大事に』と全部見越した返事が来た。
その日はベッドにノートパソコンを持ち込んで仕事をしていた。
彼は私の隣で、腰砕けになりながらノートパソコンを見ている私を、それは嬉しそうに見ていた。
私の仕事ぶりを横から画面を覗きながら的確に指示を出し、終わるや否やパソコンの蓋を閉じ、私の手から取り上げると机に置いて覆いかぶさる。
彼の溺愛という鎖でぐるぐる巻きに繋がれた私……鎖は太くなる一方。
でも、彼はわかっているのかしら?今回の出張での彼の仕事ぶりや私への気遣いを知って、さらに彼への尊敬の気持ちや愛情が深くなった。
このままだと、私は自分から彼の鎖を身体に巻いてしまうかもしれない。