彼は『溺愛』という鎖に繋いだ彼女を公私ともに囲い込む【episode.2】

「さてと。菜摘、まずは、達也のところへ行こうか」

「え?」

「お前と結託していたあいつにひとこと言っておかないとね」

「いいです。私は部屋へ戻っていますので、おひとりでどうぞ。というか、達也さんは今いらっしゃるんですか?」

 彼は時計を見て言う。

「この時間ならまだいるだろう。一時間も早く来たんだ。俺が現れることもあいつは承知しているはずだからな」

「……なるほど……」

 確かにありうる。
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