彼は『溺愛』という鎖に繋いだ彼女を公私ともに囲い込む【episode.2】
どっちも先回りをするタイプ。巻き込まれたくない。
ふたりといると、間にすごい火花が見える。
笑顔で話しながらだから余計怖い。見るのも嫌だ。
「まあ、確かに菜摘も仕事がたまっているし、先に部屋へ行っていていい。俺だけで達也のところへは行ってくる」
「はい。いってらっしゃいませ」
私は逃げるように自分の机へ戻った。そして驚いた。郵便物の山ができている。この処理だけで午前中が終わりそうだった。
腕まくりをして始めた。