彼は『溺愛』という鎖に繋いだ彼女を公私ともに囲い込む【episode.2】
「まあ、いい薬になったと思います。会長もあぐらをかいていたけど、今まですべてお膳立てされていた事実に気づけたことでしょう」
「達也君。君は相変わらず口が悪いな。僕も人のことは言えないが、そこまでではない」
「あはは。俊樹さんに言われるとは光栄です」
「今回の取引の件、目をつむってくれてありがとう。氷室と関係があることはわかっていただろ」
「俊樹さんが……戻るんですからそれはしょうがない。うちの社長は氷室社長や陽樹専務からも釘を刺されたようですし、今までやっていただいた恩を返す意味でも当たり前のことです」