彼は『溺愛』という鎖に繋いだ彼女を公私ともに囲い込む【episode.2】
「いいえ。俊樹さんと別れるか、仕事を取るかですよね。考える余地もありません」
「ほう。随分と素直になった。あのクリスマスのホテルでは涙目で訴えていた人が同一人物とは思えないな」
本当に意地悪。
「俊樹さんが万が一にも浮気をして私を捨てたなら、その時はミツハシに戻ります。達也さんへ頼んでおこうかな」
ふん、だ。言ってやった。でも何も言ってこない。変だな……。
ふと目を上げて彼を見た。ま、まずい。すごい目でにらんでる。言い過ぎたかもしれない……。