ファーストキスを返して!
それから少し経ったある日、私は衝撃的事実を知った。

私と慧くんは、細々とやっている塾に通っていた。

その時だって、私は慧くんのことをバカにしていた。

服がダサイ、モテなさそうって……



塾が終わり、帰ろうとした時、慧くんは携帯を取り出した。

「あっ、里美からだ」

「誰だよ、里美って」

「同じクラスのやつ」

「へぇ~、もしかして付き合ってんの?」

「あぁ」

「マジかよー!里美ってあの里美だろ?俺はまじないわ」

「うるせっ」

そう…なんだ……。
私は負けた気がした。
慧くんにも、あの里美にも。
でも、ダサイ同士お似合いじゃん!って大爆笑したよ。
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