イルカの見る夢
真凛の問いに、斗李は、ははと乾いた笑い声をあげた。
「ああ……ルビーと目が合って、しまってね……。僕たちの淫らな姿を……見られている気がして、少しばかり罪悪感が湧いたんだ……」
息絶え絶えの斗李の視線の先に真凛が目をやると、ベッドサイドテーブルにあった写真盾が伏せられていた。
確かに盛り上がっている最中にイルカと目が合ったら、斗李が気まずくなって写真を見えないようにするのも頷ける。
「あ……なるほどです。ふふ」
斗李の可愛らしい一面に触れて、真凛は堪らずに彼の柔らかい頬に口づけた。
しかし真凛が余裕だったのはこのときまで。
斗李は真凛の柔らかな茶色い髪を掻き抱き、さらに深く深く彼女の中に押し入った。
もうこれ以上入る隙間もないぐらい、真凛の中は斗李でいっぱいだ。
「あっ、斗李さっ……あぁぁっ……」
彼の腕の中にしっかりと包囲された状態で激しく腰を穿たれ、真凛は一気に絶頂へと昇り詰める。
「愛してる……愛してるよ……真凛」
「と……斗李さん……愛してる」
ゆらゆらと快楽の海に漂っている彼女の耳朶に、斗李の熱い吐息がかかった。
「ねぇ、僕以外のことを考えちゃだめだよ、真凛。たとえ、君のかけがえのない相棒だったルビーだとしても……許さない」
「ご、ごめんなさい……」
斗李の独占欲に触れて、もうこれ以上昇り詰めるはずがないだろうと思っていた肢体がさらに階段を上った。
愛されている、という深い安心感に包まれ、真凛の意識は自然と途切れていく。
いつものように白濁の愛を、お腹の奥で受け止めながら――。