僕らは今日死んだので、これから先は天国です
「あんた、何してんの!?」

振り返ると、同い年くらいの女の子が僕に抱きついている。

「とりあえず、柵の中に入って!」

僕が固まっていると、女の子はもう一度大きな声で言った。

「早く!」

女の子は必死を僕を柵の内側に入れようと力一杯引っ張る。

それに釣られて、僕は柵の内側へ戻った。

僕が柵の内側に戻ると女の子は大きく息を吐いた。

「良かったぁ……」

小さく呟かれたその言葉に何故か涙が出そうだった。

女の子は大きく息を吐いた後、僕を近くのベンチに座らせる。

そして、優しく僕の顔を覗き込んだ。

「何かあったの……?」

「いや……」

言葉に詰まる僕を見て、女の子はそれ以上何も聞かなかった。
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