僕らは今日死んだので、これから先は天国です
しかし、暫くして女の子が急に立ち上がった。

「ねぇ、君、名前はなんて言うの?」

「え……?米倉瑞樹……」

「了解、瑞樹ね。私は、上原一葉《うえはらいちは》。一葉って呼んで……って、そんなことよりっ……!」

上原一葉と名乗ったその女の子は、僕と目を合わせた。


「瑞樹、貴方は今死にました」


「は……?」


「瑞樹、今日死んだことにしよう!だから、もう好きに生きるってこと!これから先の人生は、本当はもう無かったわけでしょう?だから、本当に好きなことだけするの!えーと……つまり……」


一葉が暫く言葉を考えた後、僕に満面の笑みを向けた。


「これからの人生は、おまけってこと!プラスアルファ!だから、これからこの世界は死後の世界だと思おう……!?そうっ!天国!」

一葉はいいことを思いついたとでも言わないばかりに、自信満々だった。
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