僕らは今日死んだので、これから先は天国です
「だから……!」

一葉が柵に近づき、柵を乗り越える。

「おい!何するんだ!」

「私の気持ち分かったでしょ!?人が柵を乗り越えてたら、びっくりするの!」

そして、一葉は美しく輝く景色に向かって、大きな声で宣言した。

「私も今日、ここから飛び降りました!」

一葉はそれだけ言い放つと、柵の内側に戻る。

「これで、私も今日死んだ。貴方と一緒。だから、二人でこの天国を楽しもう?」

その言葉に、気づいたら僕は頬に涙が伝っていた。

一葉がハンカチを取り出し、そっと僕の頬の涙を拭いてくれる。
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