たった独りの物語~私を殺そうとしている女の子を自分の手で育ててしまいました~
「もう一度言うけれど,エヴァちゃんに出逢えたことはきっと大きな救いになったはずじゃ。またいつか顔を見せてあげたらいい」
「うん……ありがとう,レナルドおじさん」
無力を再び噛み締めて,私はおじいさんの営むカフェを後にした。
(でも,エルさんの精神状態が普通ではないことを,否定したりはしなかった)
それが分かっただけでも,前進だと思うことにする。
「んー! 帰ったら魔法の復習! 修行!」
突然卒業することになっちゃったから。
(まずはこれからの見通しをつけなくちゃ)