たった独りの物語~私を殺そうとしている女の子を自分の手で育ててしまいました~
(今日の服,かわいいかな)
ちらりとダニーを見上げる。
私を探そうとしてくれていたダニーのファッションはとても似合っていて,どこか鼻が高い。
(同じ様に思ってくれてるといいけど)
試しに,こんなことを聞いてみた。
「ねーダニー?」
「ん」
優しく返ってくるから,少し気恥ずかしさも増してしまうけど
「今日の私,どう? 可愛い?」
ダニーは驚いたように喉をならす。
私はダニーの顔をみることも出来ずに,服の袖を握って小さくうつ向いた。
(折角のデートなら,髪も巻きたかったし服もそのつもりで選びたかったしアクセサリーも,……あっこの前買った香水)
ぐるぐると考えれば考える程惜しくなる。
そんな私に,ダニーは繋いだ手をぎゅっと握って
「いつも可愛いって,知ってていってんだろ,エヴィー」
そんな可愛い返事をくれた。