たった独りの物語~私を殺そうとしている女の子を自分の手で育ててしまいました~



(今日の服,かわいいかな)



ちらりとダニーを見上げる。

私を探そうとしてくれていたダニーのファッションはとても似合っていて,どこか鼻が高い。



(同じ様に思ってくれてるといいけど)



試しに,こんなことを聞いてみた。



「ねーダニー?」

「ん」



優しく返ってくるから,少し気恥ずかしさも増してしまうけど



「今日の私,どう? 可愛い?」



ダニーは驚いたように喉をならす。

私はダニーの顔をみることも出来ずに,服の袖を握って小さくうつ向いた。



(折角のデートなら,髪も巻きたかったし服もそのつもりで選びたかったしアクセサリーも,……あっこの前買った香水)



ぐるぐると考えれば考える程惜しくなる。

そんな私に,ダニーは繋いだ手をぎゅっと握って



「いつも可愛いって,知ってていってんだろ,エヴィー」



そんな可愛い返事をくれた。

< 106 / 238 >

この作品をシェア

pagetop