たった独りの物語~私を殺そうとしている女の子を自分の手で育ててしまいました~
お義父様の娘として,私に家族が出来た。
国にお義父様の娘として存在することを認めて貰えた私は,直ぐに魔力解放の儀を受けさせて貰えて。
魔力測定の結果と共に,自分に他の人にはない能力があることを教えてくれた。
自分の可能性が広がったのだと,分かるようになった今の自分が嬉しい。
何もなかったあの頃とは違う。
街の人やお義父様がいなければ,私がエルさんの弟子になることも出来なかった。
そんな私のお義父様は,直ぐにこの国の司祭としても認められて。
国のために尽くしてくれる,とても凄い人。
私のような子供が出来ないようにって,沢山働きかけてくれて。
ちょっと横暴な王様のせいで,昔より更に窮屈になってしまったけど,その分以上に皆昔より豊かに過ごしている。
笑いかければ,皆笑って挨拶を返してくれる。
そんなこの街が,私は大好きだ。
絶対に,1つだって失いたくない。
私も誰かに必要とされたい。