たった独りの物語~私を殺そうとしている女の子を自分の手で育ててしまいました~
「エヴィー,まだ早いけどなんか食うか?」
歩きながら,考えるようにダニーが言った。
私は少し迷って,返事をするために口を開く。
「えー。ご飯はなぁ……あっあそこのクレープはどう??」
「いいな。何がいい」
見つけたのは,クレープのキッチンカー。
気のいいおばさんのやっているお店で,不定期に街のあちこちで見かけることが出来る。
なんていいタイミングなんだろうと,私は元気一杯に答えた。
「いちごのチョコソース! バナナも追加で!!」
「おっし。じゃあ行くか」
にやりと笑って,ダニーが私の手を引っ張る。
否定せずに乗り気な様子を見せてくれるのが,とても嬉しかった。
私は,このお互いに自由な関係が好き。
否定されないと分かるから,私も自由で正直に話すことが出来るのだ。
「よっす。こんにちは。注文いいですか?」
「あら,この間ぶりねお二人さん。またデートかい? お熱いねぇ。いつもと変わらないんだろうけど,一応聞いとこうかね」
「いちごのチョコソースがけにバナナのトッピング付きを1つ。それからガトーショコラといちごにホワイトチョコソースかけたやつ1つ」