たった独りの物語~私を殺そうとしている女の子を自分の手で育ててしまいました~
道が細くて,道の向こう側はあまり見えない。
何があるかもあまりしらないから,普段は行くこともない道。
そんな道を,今日は通ってみようと決めた。
1度ノアが大して代わり映えしないと行っていたのを思い出しながら,私はダニーと1列に進む。
すると突然ぽんっと開けた場所に出た。
まるで国の中に小さな国がもう一つあるみたいだ。
(ほんと,あんまり大通りと変わらない)
けれど,お店をやっている人やラインナップまで同じなはずもない。
私は離れていたダニーの手を取って,わくわくと歩き出す。
お花屋さんからいい匂いがして,どこからかお肉の焼ける匂いがして。
あちこちに気を取られながら,私は小さなお店の前で足を止めた。
「見てもいい?」
ダニ-に尋ねると
「エヴィーの好きにしたらいい。他にも見たいところがあれば遠慮せずに言ってくれ」
「うん!」
ダニーは示すように,先に自分がお店へと入店する。
木製のドアが開かれて,からんからんと掛けられた鐘がなった。