たった独りの物語~私を殺そうとしている女の子を自分の手で育ててしまいました~
「ふふ。私もう満足しちゃった。ダニーは? どこか見たいところ無いの??」
「ああ。俺はいい。またくればいいしな」
「そうだね」
ダニーと手を繋いで,その反対に貰ったばかりのぬいぐるみを握って。
私達は自然と教会へ足を向けた。
猫の人形やお店の話を,ベッキーにもしてあげようと今から考える。
「エヴィー」
教会につく前に,ダニーは足をとめた。
不思議に思いながらも,私は振り返る。
上着のぽっけから小さく取り出されたそれは,ぬいぐるみを貰ったあのお店の包装がされていた。
「エヴィーに。気に入るといいんだけど」
驚いてどきどきと受け取る。
かさりと親指に触れた場所が,少しへんこんでいた。
ダニ-に目線を送って,一言もはっさず袋を開ける。
「これ……」
編み込まれた紐に,丸い石が1つ通っていた。