たった独りの物語~私を殺そうとしている女の子を自分の手で育ててしまいました~
私がそっと本を閉じて,立ったままのベッキーを見上げると。
丁度そこに,ノックが響いた。
返事を待たず,気軽に部屋のドアが開かれる。
「あれ,どうしたの2人とも」
そこにはノアとダニー,2人の姿があった。
「2人こそ。何しに来たの?」
「別に。僕たちは子供達に会いに行こうと思って,誘いに来たんだよ」
「そう。私達も特に何かしてた訳じゃないわ。ただエヴィーが……」
「何?」
「私達パーティの依頼を疑問がってるの。ほら,あの時貰った絵本。あれ以来時々眺めてたでしょう?」
皆が私を見つめる。
(そんなにおかしいかな)
初めて絵本を読んだときも,違和感に思ったのは私だけだった。