たった独りの物語~私を殺そうとしている女の子を自分の手で育ててしまいました~


最初は,大好きな人々のためだと思っていた。

お義父様が,私の強い運命が,この依頼にあると言ったから。

そのためにもって生まれた魔力だと,何の疑問もなく依頼に頷いた。

ダニーや2人にも出逢えて,だからこそ間違いじゃないと信じたい。

でも



(お義父様は,魔女討伐が私の運命だと言った訳じゃない。それが正しいことだとも)




何を成すかは自分次第。

どうせ運命は変わらない。

運命はこれと定まっているから運命なのであって,どう足掻いても変わらない。

だから,好きに生きるべきで,それこそが運命であると。

それらは全て,お義父様の言葉。



「魔女討伐に与えられているのは,あと半年だけ。色んな特権を受けていて,王様には悪いと思うけど……もう少し,考える時間が欲しい」



私の話を聞きながら,数分前の私のように,3人は絵本を読んでいた。

< 126 / 238 >

この作品をシェア

pagetop