たった独りの物語~私を殺そうとしている女の子を自分の手で育ててしまいました~
最初は,大好きな人々のためだと思っていた。
お義父様が,私の強い運命が,この依頼にあると言ったから。
そのためにもって生まれた魔力だと,何の疑問もなく依頼に頷いた。
ダニーや2人にも出逢えて,だからこそ間違いじゃないと信じたい。
でも
(お義父様は,魔女討伐が私の運命だと言った訳じゃない。それが正しいことだとも)
何を成すかは自分次第。
どうせ運命は変わらない。
運命はこれと定まっているから運命なのであって,どう足掻いても変わらない。
だから,好きに生きるべきで,それこそが運命であると。
それらは全て,お義父様の言葉。
「魔女討伐に与えられているのは,あと半年だけ。色んな特権を受けていて,王様には悪いと思うけど……もう少し,考える時間が欲しい」
私の話を聞きながら,数分前の私のように,3人は絵本を読んでいた。