たった独りの物語~私を殺そうとしている女の子を自分の手で育ててしまいました~
運命の司祭
2週間後。
学生だった頃のエルさんの様に,物の仕組みを勉強したり,魔法で再現したり,新しい物を作る研究をしたりする日々を送っていた私を,お義父様が珍しく自室に呼び出した。
お風呂はやめて,シャワーだけにして。
ゆったりとした服に着替えた私は,弱いオレンジの光だけの暗い廊下を進んで,お義父様の部屋に向かう。
ノックをすると,お義父様の声がした。
「失礼しまーす。お義父様,話があるって」
「そうだよ,エヴィー。久しぶりだね。まずは適当に座りなさい」
さらさらの,長い髪の毛が揺れる。
綺麗な顔立ちと揺れる髪の毛を眺めながら,私はお義父様のベッドに腰かけた。
何か書類を書いていたお義父様も腰をあげ,私の横に座る。