たった独りの物語~私を殺そうとしている女の子を自分の手で育ててしまいました~
(でも保証するわ。何度も私自身吹っ飛ばされたり全て木っ端微塵になったりしながら作ったものだもの。……安全性だけはね?)
ニヤリと笑って,真後ろから木箱を支えた。
「あ,あの」
まだ心の準備が出来ていない様子のその子に前を向くよう指示し,私はそっと唇を寄せる。
「さっきの話だけど。いいのよ私は。オウサマより半年も先に住んでいたんだもの。でも……私のこともこの場所のことも,誰にも話しちゃだめよ」
(そうすればこのまま生かして返してあげる。
友達の誕生日に,若くしてお別れなんて嫌でしょう?)
その子はぎゅっと目をつむった後,腹を決めたように目を開けた。
「分かった。約束する。今日のことは2人だけの秘密ね。それより,もう」
「じゃあいくわ。3·2·1ーーさよなら」