たった独りの物語~私を殺そうとしている女の子を自分の手で育ててしまいました~
運命の日。
(お義父様,流石,みたい)
翌朝,魔法の訓練用に与えられた場所で,4人一緒に呼び出されて。
私達の訓練をいつも見ているだけの,国の人の言葉を聞いて,私は茫然と立ち尽くした。
「どういうこと? タイミングは私達に任せるのでは無かったの?」
「そうだよ。僕だってそんな話は聞いてない」
「知りません。私はただ伝えるようにと言われただけですので。皆様勇者一行には,明後日の朝,必ず魔女討伐に向かって頂きます」
「何故突然そんなことになったんだ?」
訝しげに,皆がきつく言い返す。
魔女討伐を普段から受け入れていた3人がこうして問い詰めるのは,覚悟の決まらない私のため。