たった独りの物語~私を殺そうとしている女の子を自分の手で育ててしまいました~
「……私は自分の仕事をしたまでです」
ダニーの言葉への返事は,そんな物だった。
それを聞いた途端,温厚なはずのノアが一歩踏み出す。
「自分の仕事だって? 一体僕らのことをなんて"報告"したんだ。突然明後日行って来いだなんて,どう考えてもおかしい。
僕達にこんなにも時間が与えられていたのは,それだけ危険な仕事だからだろ! 僕らのリーダーは勇者であるエヴィーだ。勘違いするな」
目を細めて,国の人は一言返した。
「しかし,私の上は国です。私に言われましても。ご自身で1度登城なさられては? 入城を許されるかは知りませんが」
ノアは言葉を失って,それを見ながら男が距離を取る。
私もなんと言っていいか分からなくて,動けなかった。
「皆様大変お強くなられました。火力,コントロール力,そして魔力量に剣の技量。国王も大変喜んでおいでです。魔女が相手でも太刀打ち敵いますでしょう」