たった独りの物語~私を殺そうとしている女の子を自分の手で育ててしまいました~
「もうっなんなのよあいつ!! 頭に来ちゃうわ!」
「僕らに頼んなきゃどうにもならないくせに,まさかあんなにも横暴な態度を取るとはね」
「落ち着けって,2人とも」
「でもさ,実際僕らはあいつに見せてない魔法や知識を持ってる。出ていこうと思えばいつでもこんな国出ていける」
ノアが私に視線を移して,代わりにダニーが発言した。
「どうする,エヴィー。ほんとに明後日でいいのか?」
こくんと,何かを飲み込む。
師匠の教えは終わった。
新しい研究が出来るくらいには,突き詰めた。
だから
「うん。驚いたけど,いいの。それだけ。数年かけて準備したんだもの,数ヶ月縮まるくらいなんてこと無いよ。さくっと行って帰って,お疲れ様会でもしよう。ね」
(それで,いいんだよね?)
自分の存在が限りなく魔女に近づいて思える。
そのせいか,魔女について考えると。
魔女はいつも,どんな想像をしてみても,人の形をしていた。