たった独りの物語~私を殺そうとしている女の子を自分の手で育ててしまいました~
たった3日の猶予なんてあっという間で,特別な夜は直ぐにやって来る。
(奇襲なんて,上手く行くのかな。形も使う技も知らないのに)
暗い夜に,私は月の光を見上げた。
一人一人,それぞれのタイミングで教会から出てくる。
「不安? エヴィー。未知の生き物と戦えって言われてるんだもの,仕方ないわ。でも,私達がサポートするもの,大丈夫よ。……逆に,それくらいしか出来ないけど」
「ううん。十分。私一人じゃ何も出来ないかもしれないもの」
笑顔で振り返ると,ベッキーがいた。
三角のとんがり帽子に,炎や水と氷,魔法がモチーフのピンバッチを着けている。