たった独りの物語~私を殺そうとしている女の子を自分の手で育ててしまいました~
「待って,皆」
(違う。ちがう)
違うのに,否定しきれなくなった。
(でもううん。そんなわけない)
「ごめんね,もう大丈夫。行こう」
魔女なんかじゃない。
それは弟子の私の存在そのもの,そして子供達や皆の存在そのもので証明されてる。
(だから,絶対に大丈夫。エルさんは,悪い"人"じゃない)
力強く,進む。
皆が不思議そうに私を見たけど,私に迷いはない。
(師匠。あいたいよ,エルさん)
アリエル·アーシア。
それは,私に沢山のものをくれた,たったひとりの善き魔法使いの名前だ。