たった独りの物語~私を殺そうとしている女の子を自分の手で育ててしまいました~



森がざわめく。

いつの間にか,ううんきっと私のせいで皆も静かになっていた。

ノアの案内で,道を曲がる。

ここさえ通りすぎればと思っていた期待は打ち破られ,私のよく知る道が更に続く。

森のざわめきに合わせて,動悸が早まった。

早鐘を打つ心臓がうるさくて,足取りが重くなったり早くなったりする。

胸ぐらを掴むように握り締めた。

そうしないと,さっきから心拍がうるさくて仕方がない。




「止まれ,エヴィー」



ふいに,ダニーが立ち止まった。

ゆっくりと,まるで人馴れしていない動物に触れるかのように私の肩に手を乗せる。



「どうして……?」



震える声に,ダニーは首を振った。

私の小さな抵抗が,幼い恐怖が,全て見透かされている。

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