たった独りの物語~私を殺そうとしている女の子を自分の手で育ててしまいました~
森の魔女の弟子。
翌日は2日ぶりに,晴れやかでポカポカとしている平穏な朝を迎えていた。
畑に水をやり,家畜の世話と小屋の掃除,ついでに魔法で洗った洋服を干したりもした。
(そろそろほうれん草や大根,白菜なんかも収穫していいかしら)
ほうれん草はお浸しに,大根は味噌汁にスープに煮物や漬け物,白菜は鍋にでもしようと計画を立てる。
(余計なリスクは抱えたくないんだけど……そろそろ街におりなくちゃ)
自分一人で生活の基盤を作るのは無理があった。
元々は国で暮らす一般人。
こそこそと街におり,魔法で商売をしたり,貯金を切り崩して買い物をしたりしなくてはいけない。
(どこかに体のいい使いっぱしりでもいれば……)
無理だと分かっているため,私は空にため息を落とすに留める。
シュンッと家の中で張り詰めた音がした。