たった独りの物語~私を殺そうとしている女の子を自分の手で育ててしまいました~
「無駄ですよ。私の判断ではありません。"彼"はどのみちもう地下牢の中です」
他国からやって来た司祭なんて,お義父様しかいない。
「地下に,牢があるの? お城なのに? どうしてお義父様を,命って,どう言うこと……???」
「人質」
ベッキーが真っ青になって呟いた言葉に,私まで青ざめる。
「人質解放の条件は」
「魔女,もしくはあなた達全員の戦死,といったところでしょうか」
「……」
ノアが何かを決めるように,ぎゅっと目を閉じた。