たった独りの物語~私を殺そうとしている女の子を自分の手で育ててしまいました~
(本当につれていかれてしまったの?)
『んー。私はね,エルヴィス·ルイス。エルヴィスと言うんだよ。君も私と同じルイスになるわけなんだけど,困ったね。君にはまだ名前がない』
『?』
『名前。何がいいかな。何かを象徴するような,そして力強い名前がいいよね。君には覇気がないもの』
しばらく考えて,いくつか考えてくれていた。
私は,いろんな話を聞かせてくれたベッドの上で,私を膝に乗せてくれたあの日を覚えている。
『ミアは少し重たいかな。エミリーやイザベラも私の望みではない。どうしようか。エラ·ルイス……シャーロット·ルイス……うーん。エヴァ,エヴァはどうかな。君にぴったりだよきっと。愛称もエヴィーにすれば,私にも近い』
私は何がなんだか分からなかったけど,嬉しそうなお義父様がいて嬉しかった。
記憶ではいつまでも暖かい布団にふれても,温もりはない。
「嘘でしょ……」