たった独りの物語~私を殺そうとしている女の子を自分の手で育ててしまいました~
永久の眠り
以前より高くなった地面。
誰も寄せ付けない,私だけの住み処。
(エヴィーはきっと気付いたでしょうね)
私の魔法が人体以外にしか向かなかったこと。
殺そうと思えば全てそうできたのに,わざと逃がしてあげたこと。
皆の背を追いたてるようにして走り去る姿が,今も目に焼き付いて離れない。
でもだからってもうきっと今度こそやってこないはず。
次は本気だと言うメッセージくらい,伝わってないと困るから。
エヴィーが,最初から私を騙していたとは思わないけれど。
エヴィーの口にしていた依頼が何を指すのか分かってしまえば,そして実際に仲間を引き連れてやってきたのを見れば。
彼女の答えなど直ぐに分かる。
(分かったでしょう,私の実力も,本気も)