たった独りの物語~私を殺そうとしている女の子を自分の手で育ててしまいました~
希望の喪失
あり得ない。
間違いであってくれと僕は放心した。
『ノア……っエヴィーがいない!!!』
ダニーが突然乗り込んできた朝に,僕は着替え途中のジャケットを落とす。
慌ててダニーの背についてエヴィーの部屋に向かうと,電気の消えた部屋の中にエヴィーはいなかった。
机の上に見たことのないぬいぐるみが座っているのを見つける。
「ダニー。そのブレスレットって……何か意味があったりする?」
朝から嫌な汗が垂れて,僕はぬいぐるみと共に置かれたそれを指差した。
「どうしたの!?!」
異変を感じて,すっぴんのベッキーまで集まる。
ダニーはそのブレスレットを,自分があげたのだと説明した。