たった独りの物語~私を殺そうとしている女の子を自分の手で育ててしまいました~
運動すらまともに出来ないなか,不幸中の幸いなのはお互いの存在だった。
学生時代で時間が止まったかのように,尽きない興味のなか魔法を極める。
気がかりなのは
『はあ……何はともあれ心配していたんですよハリエル様。同じ日からアリエルも来なくなって。連絡つかずだったのですから』
そして部屋を見渡したミス クレアははっとして口を閉じたのだ。
1日·2日ならともかく,1週間も無断で欠席をしていたと言う。
その理由が僕なら,いいのだけど。
僕の護衛もとい監視は知らないと言った。
アリーの不登校に,どんな意味があるのか。
小さな不安が,今も気がかりとして残っている。
(アリーは元気かな)
アリーに逢いたい。
たとえ誰かの妻になっていても,子供がいても,僕との日々を欠片ほどしか覚えてなくたっていいから。
今も残っているか分からない恋心を確認したい。
懐かしいアリーの笑顔に安心したい。