たった独りの物語~私を殺そうとしている女の子を自分の手で育ててしまいました~
(そしたらその人は私が殺してあげるから)
今のところ,エヴィーを瞳に映した人から優先的に殺すと決めている。
それがエヴィーに全てを隠しているせめてもの行い。
「エヴィー,そこの机にいくつかテストを置いてるの。暇だったらやってもいいわ。それから,たまには実技もやってみましょう」
「ほんと!? 待ってる!!!!!」
私は急ぎ足で応戦に向かい,細かく適切な"処理"を済ませて家に帰った。
「あれ? エルさん,その外套濡れてるよ。それにそろそろ暑いんじゃない?」
「ああ,これね」
(うっかり返り血がついちゃったせいよ)
「鳥のふんが落ちたから,少し洗ったの」
(こんな隠し事だらけの生活,いつまで続くかしらね)
どれくらい。
いつかエヴィーに向けて抱いた感想が,いつしか自分に向いていた。
エヴィーは私から見ても,とても優しい女の子だ。