たった独りの物語~私を殺そうとしている女の子を自分の手で育ててしまいました~
「ね,師匠! 採点して……!」
「……あら,また満点よ。上から順番に,このレシピで発現させてみて…………完璧よ」
その上,賢い。
ふふ……と思わず柔らかい声がこぼれた。
エヴィーには,魔法や魔法座学に加え,本来学校で学ぶはずの分野は全ての科目を教えている。
にも関わらず,半年前に目にしたばかりの魔法筆記でも満点を出す。
突然の実技でも,特性を利用して証明しつつ,難なくクリアしてみせた。
気を抜けばいつ私の生活を見抜かれても仕方がない。
案外,この師弟関係は直ぐに終わるのかもしれなかった。
「よかった,天気もいいまま。さあ,外に出ましょう」
「ふふ。わっくわっく……!」
「学校じゃ量で押し飛ばすごり押し脳筋法だろうから,今日は身から離れた場所へ魔力や発現を効率よく飛ばす方法を教えるわ。
そもそも飛距離が多ければ多いほど,その距離を補うだけの魔力が無駄に消費されてしまうもの。それに,飛ばした先に余計な元素があると上手く────わ。──で─────だから─────────」