たった独りの物語~私を殺そうとしている女の子を自分の手で育ててしまいました~
"いつもいるお友達",はよくエヴィーの話に上る。
私と出逢った日に誕生日だった子,よく一緒に買い物を楽しむ子,ゆったり話すのがとても上手で笑わせてくれるこ。
そのうちのどれかだろう。
(聞いている限りそんな気はしていたけど,男の子もいたのね)
「最近,すごくどきどきするの。これって,好きってこと,なのかなぁ」
一般的に見れば遅いくらいの初恋に,エヴィーは心を踊らせていた。
口元を押さえるのはきっと,恥ずかしいからでも吐息が漏れるからでもない。
「そんな風ににやける位なら,そうなんじゃないの? すごくいい子なんでしょう。うじうじ私に確信を貰おうとしないで認めたらどうなの」
「うう」
見抜かれた恥ずかしさからか,そろそろと両手を下ろす。
その様子を見て,私は気付かれないように口の端を軽く持ち上げた。
(なんて,私も人の事言えないわ)